和音の弾き方は大切です
【ギターの和音は難しい?】
ギターは一台で複数の音(最高で6つ)を同時に
鳴らすことのできる楽器なので、
豊かな音の響きを作ることができます。
あまり面倒くさいことは言いたくありませんが、
しかしながら、美しい響きを実現するためには
それなりの技術が必要ですね。
【美しい和音とは?】
特に何も考えることなく和音を弾くと
p(親指)とa(薬指)の音が強く出て
内声の音が弱くなることが多いですね。
ですから、なるべく内声の音をよく聴きながら
練習することが大切です。
練習方法としては
1,i(人差し指)m(中指)だけ先に弾いて音を覚えておく
2,バランスをよく聴きながら和音を弾く
という方法がよいです
*ウラジミール・ミクルカさんが言っていましたが、
この時、右指(i,m,a)はくっつけて弾くことが大切です。
【デ・ラ・マーサの公開レッスン】
私のギターの先生がスペインの巨匠
サインス・デ・ラ・マーサの
公開レッスンを受けた時の話です。
「和音を弾いてごらんなさい」と言われ、
一生懸命フォルテで弾こうとすると、
力みが入ってしまい音がよくありません。
その弾き方がよくないということで、
繰り返し繰り返し弾かされたのですが、
一向によくならず、
しまいに怒り出してしまったのだそうです。
勿論、デ・ラ・マーサが同じギターで弾くと、
ヨーロッパの鐘の音のようにカラッとした、
良い音が鳴るとのこと。
私の先生がまだ駆け出しの20代のころの話です。
それくらい、ギターで和音を弾くというのは難しいんですね。
【豊かな和音を弾くには?】
「和音でフォルテを弾く時は力を抜く」
これがなかなか難しい。
たとえば空手で瓦を割ったりするのを
テレビなどで見たことがありますが、
その時は力が入っていないのだそうです。
むしろ、力が入ると割れないことがあるそうです。
勿論、全く力が入ってないわけはありませんが、
力を入れるところが必要最小限だということですね。
これはギターを弾く時も同じで、
理屈ではなく、繰り返し弾いて、
体で会得してゆくしかないんですね。
このとき大切なのは自分の「耳」です。
自分の耳でよく聴くことです。これに尽きます。
結果的には自分の耳をよくすることが一番大切なんですね。
【自分の耳を養う】
自分の耳をよくするには・・・・
演奏会に足を運んで生の音を聴くのが一番です。
特に「音が綺麗」と言われる外国人の演奏家の演奏会です。
(なぜ外国人?・・・例外はありますが、
日本に呼ばれる外国人演奏家はそれなりに
実績があって呼ばれていることが多いからです。)
例えば、最近は演奏活動をあまりしていませんが、
ウラジミール・ミクルカ、マヌエル・バルエコ等はおすすめです。
(*2人共、札幌で実際に聴いて、本当に感動しました!)
ウラジミール・ミクルカ「王子のおもちゃ(N・コシュキン)」より
*長いので最後のクライマックスから
マヌエル・バルエコ「組曲スペインよりカタルーニャ(I・アルベニス)」
【実践したい練習曲は?】
ヴィラ・ロボスのエチュード4番は
私が先生に弟子入りして最初にやりなさいと言われた曲です。
あまり見慣れない記号ですが、和音を4つずつ弾く曲で、
正直言って、結構きつい曲でした。(汗)
しかし、この曲を練習していたら
大学のギターサークルの友達が
「いや~、前とは全然違うな。かなりうまくなったな。」
と言うではありませんか?
私は「そんなもんか?」と思いましたが、
彼はかなりよい耳をしていましたので、すんなり受け入れました。
若い頃のよき思い出です。